ジンベエザメ、視覚が独自進化 深海まで届く青色光の活用が判明 美ら島財団ら研究チーム


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 世界最大の魚類ジンベエザメの目は、深海に最も届きやすい青色の光を効率的に受け取れることが分かったと、国立遺伝学研究所(静岡県)や大阪公立大、沖縄美ら島財団などのチームが4日までに発表した。深海で微弱な光を活用できるよう視覚が独自進化したと考えられる。

沖縄美ら海水族館の水槽で泳ぐジンベエザメ(同水族館提供)

 ジンベエザメは海の表層を遊泳してプランクトンを食べる一方、2千メートル近くの深海に潜ることが知られており、生態には謎が多い。

 チームは目の網膜にあり、微弱な光しかない環境で視覚をつかさどるタンパク質「ロドプシン」に注目。通常は緑色の光を感受しやすいロドプシンが、深海にも届きやすい青色の光を感受しやすいよう変化しており、タンパク質の性質を決めるアミノ酸の配列に特徴があることが分かった。

 国立遺伝学研究所の工楽樹洋(くらくしげひろ)教授は「ジンベエザメのロドプシンは熱に弱いが、低温の深海で機能するのには適している」としている。研究は米科学アカデミー紀要に掲載された。