「面影も髪もみんな薄くなった」 5人の警察官そろって2度目の「卒業」 1980年度に普天間高校卒 沖縄


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いずれも普天間高卒の同級生で県警の警察官を勤め上げた(左から)山内修さん、与那城武さん、幸喜一史さん、金城太さん、江田一也さん=3月31日、県警本部

 【宜野湾】県警の警察官として約40年、県内の治安維持に尽力した、いずれも60歳で前職の幸喜一史刑事部長、与那城武那覇署長、江田一也宜野湾署長、県警本部の金城太少年課長、山内修サイバー犯罪対策課長の5人が3月31日、定年退職を迎えた。いずれも県立普天間高校の1980年度卒業生で、そろっての卒業は人生2度目。5人は「高校時代の面影も薄くなり、髪もみんな薄くなった。同級生5人で退官を迎え、感慨深い」と話し、いつものこわもてを崩し、そろって笑みをこぼした。

 81年3月、5人は普天間高校を卒業。それぞれの道に進んだ後、警察官となり県警で再会した。入官時期はばらばらで、5人全員で取り組んだ職務はなかったものの「県民の安心と安全のために」と心に掲げた思いは同じだった。金城さんは「高校時代はみんな部活ばかり。職場で再会し、今度は仕事ばかりだった」と振り返る。同高ボクシング部で活躍した与那城さんは「同級生がいることで心強く、苦しい時は『自分も頑張らなければ』といつも心の支えになっていた」と仲間と支え合い、しのいだ労苦をたたえる。

 県警本部で行われた退職者表彰式で、幸喜さんは「昭和生まれのわれわれ世代は家庭のことは後回しにし、被疑者摘発のため仲間たちと心を一つに、昼夜を分かたず駆けずり回った。家族のおかげでここにいる。ありがとう」と謝辞を述べ、頭を下げた。5人のうちで最も遅く平成元年に入官した山内さんは「県警に入り、普天間高の諸先輩方に厳しく指導をいただいた。またひとつ普天間高の軌跡を残せたと思う」とねぎらう。

 良き仲間に恵まれ、約40年の充実した警察官人生を終えた5人。そろって新たなスタートに意欲を見せる。江田さんは「そろって3度目の卒業はさすがにないと思うが、これからも互いに切磋琢磨(せっさたくま)してやっていきたい。今後も後輩らの助けになれるよう、皆で応援したい」と晴れ晴れしい表情を浮かべた。

 (高辻浩之)