本村ツルさん死去 元ひめゆり平和祈念資料館館長 97歳 戦争体験を語り継ぎ平和教育に尽力 沖縄 


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本村ツルさん(資料写真)

 元ひめゆり学徒で、ひめゆり平和祈念資料館館長やひめゆり平和祈念財団理事長などを務めた本村ツル(もとむら・つる)さんが7日午前1時29分、老衰のため西原町の自宅で死去した。97歳。那覇市泊出身。告別式は10日午後5時から同45分、浦添市前田2の15の1、サンレーグランドホール中央紫雲閣。喪主は長男昌一(まさかず)さん。

 本村さんは1925年6月11日生まれ。県立第一高等女学校を卒業後、1943年に沖縄師範学校女子部本科へ入学。45年3月、予定していた卒業式の2日前に、南風原の陸軍病院へ看護要員として動員された。戦後、コザの孤児院で戦災孤児の世話をしながら院内の教師となる。47年には壺屋初等学校の教職に就き、天妃小学校で定年を迎えるまで教壇に立ち続けた。

 ひめゆり学徒隊生存者として戦争体験を語り継ぎ、糸満市のひめゆり平和祈念資料館の設立にも奔走した。ひめゆり平和祈念資料館長や県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団理事長などを務め、平和教育の普及にも尽力した。2012年には沖縄の平和教育の推進に貢献したとして、県功労者として表彰を受けた。