琉球新報社 第70回県高校野球春季大会（県高野連主催、琉球新報社共催）の決勝が8日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われ、ウェルネス沖縄が宮古を7―3で下し、初優勝を成し遂げた。ウェルネスは第152回九州地区高校大会（22～27日、熊本）への出場を決めた。ウェルネスは三回に5点、四回に2点を挙げ、7―0と宮古を引き離した。投げては先発のエース・上原律己が六回まで無失点の好投を見せた。七回、宮古は3点を取り返すが、八回から登板した安里幸大が宮古の反撃を退け、栄冠をつかんだ。同校は9日午後1時から、同球場で沖縄尚学とチャレンジマッチを行う。3位決定戦はなく、優勝校のウェルネスに準決勝で負けた西原が3位、準優勝の宮古に敗れた豊見城が4位となった。
苦しみながらもチームを大会初優勝に導いたウェルネス沖縄のエース・上原律己の試合後の表情は硬かった。7点を先行した終盤の七回、宮古に5安打を許して3失点するなど「（試合を通して）テンポが悪かった。内容には満足していない」と笑顔はなかった。
130キロ台後半の直球、スライダー、フォークで投球を組み立てた。立ち上がりは制球が定まらず、初回から2四球を出した。それでも何とか内角ぎりぎりを攻め続け、粘りの投球で六回まで無失点で持ちこたえた。
だが七回、宮古打線につかまってたちまち3点を奪われ、窮地に追い込まれる。もう1点取られれば流れを持っていかれてもおかしくない展開だったが、「大量リードしていたので気にせず大胆にいこう」と気持ちを切り替え、際どいコースを突いていった。
2死一、二塁の場面で4番・下地将誠を迎えた上原は4球目を詰まらせて投ゴロに打ち取り、ようやく宮古の猛攻を退けた。「フィールディングは自信がある。そこで自分を救えた」と胸をなで下ろした。
八回から登板した安里幸大が安定の投球で宮古の追い上げを振り切った。上原は先発として「テンポで押す自分の投球ができなかった」と悔やむ。9日の沖縄尚学戦に向け「もちろん投げたい。絶対に勝って第一シード権を取る」と前を見据えた。
（砂川博範）
三回一気5点 新垣塁口火
三回に一気に5点を挙げ、試合の主導権を握ったウェルネス沖縄。口火を切ったのは、3番打者の新垣塁雅だった。2死走者なしで打席に入り、迎えた2球目。甘く入った変化球を見逃さなかった。バットを短く持ち、コンパクトに打つことを心掛けたバッティングで中前へ打ち返した。その後、4番當銘愛渉の左前打や敵失などが重なり、ウェルネスは2死から5点を奪って、勝利をたぐり寄せた。
新垣塁は四回にも4球目を右中間へ運んで、この日チーム唯一の2安打。大会を通じ、今大会は全5試合で毎回打点を挙げる好調ぶりだった。チャレンジマッチの9日の沖縄尚学戦でも、「チャンスが回ってきたら塁に出て次につなぐ野球をしていきたい」と自信をのぞかせた。
（砂川博範）
