全国高校野球選手権沖縄大会の第1シード権を懸けて争うチャレンジマッチが9日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われ、県春季大会で初優勝したウェルネス沖縄と、選抜大会に出場した沖縄尚学が対決した。試合はタイブレーク制の延長十一回までもつれ込み、ウェルネスが4―3でサヨナラ勝ちを収めた。両校は第152回九州地区高校大会(22~27日、熊本)への出場が決まっている。選手権沖縄大会のシード権は第1から順にウェルネス沖縄、沖縄尚学、宮古、西原となった。
昨年の県秋季大会決勝で沖縄尚学に3―10で負けた悔しさをバネに、成長を遂げたウェルネス沖縄が雪辱を果たした。先発の安里幸大は最速141キロの直球と120キロ台のカーブを織り交ぜ、沖尚の強力打線に立ち向かった。
初回、安里は連打を浴び2点を先制される。「慎重に投げすぎて、コントロールが甘くなりボールが浮いてしまった」。だが二回以降、修正力を発揮した。カーブでカウントを整え、直球で詰まらせて追加点を許さなかった。
県秋季大会決勝で負けた後、チームは「打倒沖尚」を掲げ練習に打ち込んだ。安里は走り込みや体幹トレーニングに励み、冬から春にかけ直球の速度が5キロ増した。
本調子ではなかったが、安里は「悪いなりにも回を重ねるごとに修正ができて、要所で締められたことが(秋から)成長できたところ」と手応えを感じている。
夏に向け「甲子園に行くためには沖縄尚学を倒さないといけない。まずは、目の前の一戦一戦を確実に勝っていくことが大切だ」とさらなる飛躍を誓った。
(砂川博範)