prime

「夢をかなえるのに遅すぎることない」 エーリックさん、アイドルとデザイナーを同時に実現<夢かなう>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
コンサートで笑顔を見せるエーリックさん=12月9日、新宿BLAZE

 男性9人組パフォーマンスユニット「円神」のメンバーとして活動するA.rik(エーリック・本名福地正)(29)さん。沖縄市出身で、高校時代からアイドルを目指して県内を中心に活動、2019年に出演したオーディション番組をきっかけに翌年メジャーデビューを果たした。3月29日には新曲「MERRY GO ROUND」をリリースし、現在は東京、大阪など全国6都市を回るツアー中だ。

 10代~20代前半のメンバーが多い中、最年長の26歳でデビューした。周囲からは「アイドルとしては年齢が高すぎる」という声も聞こえていた。「18歳から活動を始めて、年齢を重ねていくうちに、早くデビューしなきゃと焦りが大きくなっていった」と振り返る。雑誌やテレビのオーディションに積極的に参加するも望む結果は得られず、気づいたら20代後半になっていた。

 アイドルの夢を諦め、もう一つの夢だったデザイナーの道に進もうと、アパレルショップでアルバイトを始めた。そのまま就職しようと考えていたとき、オーディション番組の開催を知り、最後のチャンスと応募した。上位メンバーにはなれなかったが、最終投票直前まで残り、練習生のメンバーとともにユニットを組んでデビューした。

 同年に自身のファッションブランドも立ち上げ、デザイナーとして洋服やアクセサリー、小物などを制作。ビレッジバンガードとのタイアップやタレントでアーティストのジミー大西さんとのコラボなど精力的に活動している。

 アイドルとデザイナーという二つの夢を同時に実現させたが、諦めかけたことは何度もあったという。その大きな原因が「年齢の壁」だった。「芸能界は特に年齢に関する制限が大きいと感じる」と話す。「もう遅い」、「年がいきすぎている」といった周囲の声は、大きな重圧になっていた。

 「夢をかなえるのに遅すぎることはない。年齢のために夢を諦めかけている人がいたら、諦めず突き進んでと伝えたい」と話す。「年齢だけでなく、周囲の価値観に惑わされてしまうこともあると思う。でも自分がやりたいことを信じて挑戦して」とエールを送る。

 グループでの活動の他にも、俳優やタレントとしてドラマやバラエティー番組に出演しており、都内各所でブランドの個展も開催している。

 3月には新曲のプロモーションのため数年ぶりに沖縄へ帰り、実家で家族と過ごした。「今の自分があるのは応援してくれる家族や友達、ファンのおかげ。ずっと大切にしたい」と笑顔を見せた。
 (普天間伊織)