これからも寄り添う場所として 毎月11日のフラワーデモが4年に 性暴力のない社会へ、静かな意志示す 沖縄県・那覇市


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
性暴力のない社会の実現をサイレントスタンディングで訴えたフラワーデモの参加者たち=11日、那覇市泉崎の県民広場

 花を手に性暴力のない社会の実現を求める「フラワーデモ」が11日、那覇市泉崎の県民広場で開かれた。13人が参加し「#withyou(あなたと共に)」などと書かれたプラカードを掲げて通行人に示すサイレントスタンディングを行った。デモは2019年3月に4件の性暴力事件の無罪判決が相次いだことをきっかけに東京と大阪で4月から始まり、4年が経過した。全国各地で毎月11日前後に開催されていて、沖縄でも被害者に寄り添い、静かに性暴力への抗議の意志を示す活動が続いている。

 4年たった今もほぼ毎月初めて参加する人がいる。県内大学に通う新垣梨可さん(23)もその1人。同じゼミの座間味朋花(ほのか)さん(21)に誘われて参加し「被害者が安心して話せるように寄り添い、声を上げられるな雰囲気を社会全体でつくっていくのが大切だと感じた」と話した。

 4月は、13日に北谷米兵女性殺人(19年)、29日にうるま市米軍属女性殺人(16年)が起こった月でもある。主催者の1人である上野さやかさんは「沖縄にとってどちらも忘れてはいけない日。沖縄が置かれた過重な基地負担と関連した性暴力のむなしさや悔しさを考えながら行動していく月だ」と力を込めた。

 沖縄で起こった性暴力事件を追うWOWOWの連続ドラマ「フェンス」が話題だが、ドラマ制作陣から取材を受けたという主催者の高里鈴代さん(強姦救援センター・沖縄REICO代表)は「(フラワーデモでは)沈黙してきた人が幼少期や若い頃の被害を語り始めることがある。語りたい人にも、語れない人にも寄り添える場所として、これからも続けていきたい」と話した。(慶田城七瀬)