ゆいレール2駅に係員常駐できず 障がい者や高齢者「安全面への配慮欠く」と懸念


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沖縄都市モノレール(資料写真)

 沖縄都市モノレール社が係員の人手不足を理由に複数の駅での巡回勤務を増やしたことについて、係員がいない時間帯が生じることに、障がい者や高齢者に懸念が広がる。障がい者団体からは今後の対応について、当事者と共に考える機会を持つよう望む声も聞かれた。

 NPO法人県脊髄損傷者協会の仲根建作理事長は、モノレールが延伸して開業した当時に、駅のバリアフリー対応状況の確認などをしてきた経緯に触れ「事前に説明や聞き取りがないままに(巡回勤務)が始まることは不安だ」と戸惑いを隠せない。自身も車いすで生活しており、係員に助けを求められないまま希望の駅で降りられずに那覇空港―首里を往復してしまった経験がある。巡回勤務の駅では、係員がいない場合にインターホンで連絡し対応を求めることになるが「これまでよりも待機時間が長くなってしまうのではないか」と懸念した。

 モノレール社では、視覚障がい者に対して、乗車から降車まで駅員が連携して対応していたという。沖縄視覚障害者福祉協会(沖視協)の知花光英会長は「初めて乗る場合はインターホンの場所や点字ブロックがどこに誘導しているのかも分からないだろう」と説明し、「巡回に決定したと一方的に通知するのでなく、どうすればいいのか共に考えていただきたい」と語った。

 NPO法人バリアフリーネットワーク会議の親川修理事長は、障がい者や高齢者にとっての心理的負担の大きさを強調する。また、外国人なども利用することを挙げ、「コミュニケーションが必要とされる中で、今回の決定は流れに逆行してはいないか」と指摘する。「利用者が取り残されている気がする。安全面への配慮に欠けているのではないか」と憤り、利用者の目線に立った運用の見直しを求めた。

(新垣若菜、慶田城七瀬)