具志堅幸司氏、体操殿堂入り 日本人14人目 5月20日に米オクラホマで式典


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
金メダルを胸に笑顔で観衆に応える具志堅幸司=1984年、米カリフォルニア大ロサンゼルス・ポーリー・パビリオン

 日本体操協会は13日、1984年ロサンゼルス五輪の体操男子で個人総合とつり輪の金メダルを獲得した具志堅幸司氏(66)の国際体操殿堂入りが決まったと発表した。日本人では14人目。殿堂入り式典は5月20日に米オクラホマシティーで行われる予定。

 父の古清さんが名護出身、母のつる子さんが石川出身の具志堅氏は大阪市大正区で生まれ育った。小学6年の時に見たメキシコシティー五輪の体操で個人総合金メダルに輝き、その次のミュンヘンでも連続で個人総合金を獲得した加藤沢男氏に憧れ、体操を始めた。74年、清風高3年の時に全国高校総体の体操個人、団体で頂点に立った。

 名門日体大に進み、五輪が視野に入り始めた頃に二度の大けがに苦しみながらも世界大会で好成績を残し、80年のモスクワ五輪代表に選ばれた。しかし冷戦下で日本オリンピック委員会が参加をボイコットし、出場はかなわなかった。逆境を乗り越え84年、ロサンゼルス五輪では個人総合とつり輪で金2、銀1、銅2という圧巻の活躍で低迷していた“体操ニッポン”の復活を象徴する存在となった。

 手足の先まで真っすぐ伸びた空中姿勢、鍛え上げた上半身と腕で手首を曲げずにぴたりと止めるつり輪の十字懸垂は、美しい体操を身上とする具志堅氏の代名詞ともなった。2008年の北京五輪では男子監督、17年からは日体大学長を務めた。