孔子廟の撤去訴訟、原告の控訴を棄却 那覇市長「市の主張が認められた」 高裁那覇支部


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久米崇聖会が管理・運営する久米至聖廟(孔子廟)=那覇市

 那覇市久米の松山公園内にある久米至聖廟(孔子廟)は宗教的施設で、市の設置許可は憲法の政教分離の原則に反するとして、市民2人が市に対し、施設を管理する法人に撤去を求めないことへの違法性の確認などを求めた住民訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)は13日、同原則に反しないとした一審那覇地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。原告側は上告する方針。

 昨年3月の一審判決は、施設の歴史的・文化的価値や、管理する「久米崇聖会」が使用料を支払っていることなどから、政教分離原則に反しないと判示し、原告側の請求を棄却していた。知念覚那覇市長は13日、「一審に続き市の主張が認められた」とのコメントを発表した。

 孔子廟を巡る別の訴訟で、最高裁は2021年2月、市が土地を無償提供しているのは政教分離原則に反すると判断。市は最高裁判決を受け、使用料の免除を取り消した。