企業・高校生マッチング サイトで就活・採用支援 ジンジブレーン(那覇)×ジンジブ(大阪)


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高校生と企業のマッチングを図ろうとジンジブが開催した合同企業説明会=2022年7月19日、東京都の新宿NSビル(ジンジブレーン提供)

 那覇市のジンジブレーン(仲宗根悠社長)と大阪府のジンジブ(佐々木満秀社長)は2月に業務提携を結び、県内の高校新卒者の就職を支援する求人サイトの運用と就職活動支援を開始した。人材不足が深刻化する中で、企業と高校生をマッチングし、高卒生採用に注力する県内の中小企業も支援する。

 県内の2023年3月卒の高校生の求人数は、2022年9月末時点で前年同期比32・4%増の2978人と大幅に増加。これに対し就職希望者数は同0・2%増の1775人だった。

 県内628の企業がハローワークに求人を提出しており、求人倍率は1・68倍。2002年以降、最高値を記録した。全国的にも3・29倍と1988年以降最高水準となっている。

 高卒の就職希望者優位の売り手市場だが、高校生の就職活動は原則、学校を通じてのみ許可されるなど制限は多い。企業側も求人情報解禁から応募まで約2カ月と短いことから、求人を出す手続きに割く時間や従業員が不足しがちで、さらに情報不足から採用後のミスマッチなどの問題が指摘されていた。

 ジンジブレーンの仲宗根社長は「人事専門の担当者や部署がない中小企業は、求人票の発送や学校訪問まで手が回らないことも多い。学校側も教員が同様に日々の業務で忙しく、結果的に生徒へ渡る情報が限定的になっている」と述べ、企業側と高校生側の橋渡しに意欲を示す。

 同社が運用する求人サイトは、企業が直接学生にPRする機会を作るため、職場の雰囲気や条件を写真や動画で事前に確認できる専門のサイト「ジョブドラフト」。イラストを多用し、高校生がスマホで簡単に閲覧できるようにしている。

 サイトを活用して新卒採用したフレッシュプラザユニオン古島店の照屋孝店長は「直接訪問が難しい離島や県外の高校生にも、オンラインで情報を届けられるようになった」と評価した。

 ジンジブレーンではこのほかにも社会人講話や職業体験、面接トレーニングなど高校での就職支援コンテンツを無償で提供している。仲宗根社長は「人事のプロとして学校と企業を結ぶ役割を果たしていきたい」と話した。 (普天間伊織)