県境を越え「自然遺産を守ろう」 沖縄・奥間小、奄美・阿室小、屋久島・八幡小 児童、オンラインで魅力と課題発表


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奄美、屋久島の小学生とオンラインで交流する奥間小3年生、6年生の児童ら=3月15日、国頭村の奥間小学校

 【国頭】地域の自然が世界自然遺産に登録された国頭村の奥間小学校、鹿児島県奄美大島の阿室小学校、屋久島の八幡小学校の児童らがこのほど、自分たちが住む場所の自然や生物についての調査学習や、自然保護の取り組みについて発表し、オンラインで交流した。奥間小からは3年生20人、6年生11人、計31人が参加した。

 八幡小からは「わたしたちの未来を楽しくエコエコ大作戦・MTED」として発表。屋久島の海の良いところとして海がきれいで、黒潮の関係で水温が高く魚の種類が約1000種類、貝類が約700種類と海産物が豊富にあり、美しいサンゴも見られることを紹介した。一方で屋久島の海が抱える問題として、外国からの漂着ごみ、マイクロプラスチックによる海の生き物への悪影響を指摘した。山の自然については、鹿が増え観光客が餌を与えることから自然の物を食べなくなる問題を提起した。外来種のタヌキや植物の現状なども報告された。

 奥間小は「みんなで守ろう!やんばるの生き物たち」と題して発表。貴重な生き物であるヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネ、ケナガネズミ、リュウキュウイノシシの特徴などを説明し、やんばるの森で最も多い樹木と言われるイタジィ(スダジィ)についても発表した。希少生物の天敵である外来種駆除、マングース防除事業、野生化した犬や猫による捕食の問題についても発表した。

 奥間小3年の仲間也栖(ありす)さんは「沖縄でもきれいな自然づくりをしながら、今ある貴重な自然をもっと大切にしていきたいと思った」と話した。
 (新城高仁通信員)