被害者家族への賠償請求、日本政府が棄却求める 08年の米兵タクシー強盗事件 高裁那覇支部で控訴審始まる


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 2008年に沖縄市で発生した、公務外の米兵2人によるタクシー強盗致傷事件で、被害者家族が遅延損害金を含めた損害賠償金の支払いなどを国に求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が18日、福岡高裁那覇支部で開かれた。国側は原告側の控訴棄却を求め、次回期日は6月15日に決まった。

 訴訟は、米側が支払った見舞金が裁判所で確定した賠償額に満たなければ、日本政府が差額を穴埋めする「SACO見舞金」制度が争点となっていた。

 昨年7月の一審那覇地裁判決は、見舞金の支給制度は閣議決定が根拠で、法令ではないなどと判示し、原告側の訴えを退けていた。

 原告側は控訴理由書で、行政事件訴訟法にある「法令に基づく申請」には「閣議決定に基づき定められた省令に基づく申請も含まれる」などと主張。国側は答弁書で、原告に見舞金を支給していないことが国家賠償法上、「違法なものとは言えない」などと述べている。