沖縄県、プロジェクトの推進に「ふるさと納税」活用へ 空手や琉球文化など「沖縄ファン」の支援に期待 財源の多様化図る


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県内自治体が募集するガバメントクラウドファンディングのプロジェクト(ふるさとチョイスHPより)

 県は18日までに、自分で選んだ自治体に寄付すると住民税や所得税が控除される「ふるさと納税」を活用した「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)を導入することを決めた。GCFに関する指針を作成し、早ければ2023年度中に支援事業(プロジェクト)を募集する。26年度にはプロジェクトを五つ程度にまで広げる計画だ。県内外に愛好者が多い沖縄空手や、琉球文化などを活用したプロジェクトを検討する。財源の多様化を図るとともにプロジェクトを通した「沖縄ファン」獲得を狙う。

 GCFはサイト「ふるさとチョイス」で提供されるサービスで、全国自治体が募集するプロジェクトにふるさと納税で寄付する仕組み。寄付金総額は22年2月末時点で110億円を超える。県内でも石垣市や宜野湾市、西原町などで導入している。ルール上、物品の返礼品は禁止されていることから自治体側が支払う経費が少ないという。

 県はプロジェクト例として、沖縄空手のユネスコ無形文化遺産登録に向けた機運醸成プロジェクトへ支援を呼びかける案もある。返礼品は提供できないが、寄付者への見返りとしてイベントへの優先参加などを想定している。

 県は通年のふるさと納税として「美ら島ゆいまーる寄付金」を08年度から設置しており、21年度に379件、約2700万円の寄付金を集めた。返礼品はない。ただ、使途は新型コロナ対策と首里城復元事業に限定されている。

 県行政管理課の担当者は「沖縄振興計画で打ち出している『財源の多様化』の取り組みの一つだ。クラウドファンディングを通して県内外に共感を広げられるよう頑張りたい」と話した。
 (梅田正覚)