塩せん×チョコ=マッチング! 割れたせんべい活用しSDGsな新商品に その名も「黒い欲望」 ファションキャンディとサンシオ


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「黒い欲望」

 割れた塩せんべいを廃棄せずチョコまみれに―。菓子製造・販売のファッションキャンディ(宜野湾市、宮城実社長)と塩せんべいを手掛けるサンシオ(西原町、塩川雅紀社長)がコラボし、新商品「黒い欲望」を開発した。サンシオの製造過程で日々発生する割れた塩せんべいを有効活用。10代をターゲットに、形がさまざまな塩せんべいにチョコをたっぷり染み込ませた甘さとしょっぱさが楽しめるお菓子に仕上げた。

 両社と、マッチングを実現させたおきなわフィナンシャルグループ(OFG)が19日、那覇市のオキナワイノベーションラボで5月4日から発売すると発表した。

 サンシオは割れたせんべいを費用をかけ1日に10~20キロほど廃棄してきた。取引のある沖縄銀行西原支店が廃棄せんべいの有効活用について、同じOFG傘下の地域商社みらいおきなわと連携。ファッションキャンディとのマッチングが実現した。

 新型コロナウイルス禍の影響を受け、ファッションキャンディは新たな柱となる商品開発を検討しようと、せんべいやクッキーなどにチョコを染みこませることができる専用装置を昨年県内で初めて導入した。専用装置を活用したコラボ商品に、同社の宮城涼子副社長は「溶けにくく、流通もさせやすい。食品ロスをなくしSDGsにもつながる」と強調した。

新商品「黒い欲望」を発表するファッションキャンディの宮城涼子副社長(前列右から4人目)、サンシオの塩川雅紀社長(同5人目)、沖縄銀行西原支店の仲里篤支店長(同6人目)ら関係者=19日午後、那覇市のオキナワイノベーションラボ

 マッチングにより、サンシオは1日の塩せんべいの廃棄量を、7~8割程度減らすことができた。塩川社長は「インパクトのある商品ができた」と喜んだ。

 39グラム入りで、希望小売価格は税込み238円。5月4日から公式オンラインショップや県内のドン・キホーテ全店で先行販売される。コンビニエンスストアなどでの6月以降の販売も目指す。
 (當山幸都)