車のシートベルトがカバンや小物に変身 知花花織あしらい、SDGsに貢献目指し開発 沖縄・就労施設


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廃材のシートベルトと国指定伝統工芸品の知花花織の布を使ったかばんを作っている就労継続支援B型スクラムの利用者と平良茂幸所長(右端)ら=3日、沖縄市胡屋の同施設

 【沖縄】沖縄市胡屋の就労継続支援B型スクラム(平良茂幸所長)が、車のシートベルトを再利用したかばんや小物を製造している。市の国指定伝統工芸品である知花花織も使い、地域資源を活用した環境にも優しい商品開発に挑んでいる。

 作り始めたのは約1年前。国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)に関する取り組みを考えたところ、浦添市の事業所が廃棄されるシートベルトでかばんを作っていることを知り、沖縄市らしく地元の知花花織も使ってかばん作りをすることにした。

 最初は近所の自動車解体所から廃材のシートベルトをもらっていた。本格的に製造するようになってからは、リサイクル業県内大手の拓南商事(うるま市)から解体される車のシートベルトを格安で購入し、材料を調達している。平良所長によると、シートベルトは頑丈な素材でできているため、丈夫なことがかばんの特徴。色の違うベルトを縫い合わせたグラデーション柄や、個別の注文に応じて柄やポケットの位置を決めるオーダーメードかばんが人気という。

 知花花織の模様はスクラムが知花花織事業協同組合に発注して生地を仕入れている。支援員の下地隆子さんを中心に、施設利用者が作業を手分けしている。利用者の高宮城力さん(24)は「ベルトを切る作業をしている。将来はミシンも使えるようになりたい。ポケットがたくさんあるかばんやキーホルダーも作りたい」と意気込んだ。価格は3千~7千円程度。販売は同作業所で。問い合わせは平良所長070(5536)1190。

(島袋良太)