破壊措置準備命令Q&A 日本政府「事実上のミサイル発射」との見解 PAC3先島展開


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浜田靖一防衛相(資料写真)

 浜田靖一防衛相が自衛隊に弾道ミサイルなどに対する「破壊措置準備命令」を出しました。

 Q それは何ですか。

 A 自衛隊法82条の3に基づく措置です。日本に飛んでくる弾道ミサイルによる被害防止に必要な場合、防衛相は上空でミサイルを破壊する命令を出すことができるとしています。その準備を指示するものです。

 Q ミサイル発射が近いのですか。

 A 今回の命令は、北朝鮮の「軍事偵察衛星1号機」の打ち上げに備えるためです。日本政府は事実上の長距離弾道ミサイル発射とみています。一部が日本領域に落下する不測の事態に備え、自衛隊に迎撃に必要な作業を命じました。

 Q 具体的には。

 A 上空通過の可能性がある沖縄県の関係自治体と調整し、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開します。洋上には、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載の海上自衛隊イージス艦を配置します。

 Q 過去に準備命令を出した例はありますか。

 A 防衛省は、直近は2012年12月と説明しています。北朝鮮が「地球観測衛星」と主張する事実上のミサイルを南方向に発射すると予告したのを受け、沖縄本島や宮古島、石垣島にPAC3を展開しました。日本領域内への落下物は確認されず、破壊措置の実施は見送りました。

(共同通信)