世界へ前進の初優勝 重量挙げ女子71キロ級の福里 けがで不調も誓い果たす


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女子71キロ級 優勝した福里悠のジャーク=山梨市民総合体育館

 23日に山梨県の山梨市民総合体育館で行われた重量挙げの第83回全日本・第37回全日本女子選手権大会第3日で、女子71キロ級の福里悠(宮古高―東京国際大出、県協会)がスナッチ95キロ、ジャーク118キロのトータル213キロを挙げて頂点に立った。男子89キロ級の平仲浩也(南部工高―法政大出、警視庁)はスナッチ146キロ、ジャーク175キロのトータル321キロを挙げて準優勝となった。金城優人(南部工高―金沢学院大出、警視庁)は4位に入った。男子96キロ級の請舛泰俊(沖縄工高出、自衛隊)は4位だった。

 前々回は3位、前回は2位と階段を一つ一つ昇ってつかんだ全日本女子選手権大会71キロ級の初優勝。だが「全く納得できない記録。うれしいより悔しい」と福里悠に出し切った感はなかった。

 自己最高はスナッチ100キロ、ジャーク120キロのトータル220キロ。6月のIWFグランプリⅠと9月の世界選手権をにらみ「トータル222キロが最低限の目標だった」。

 しかし、大会4週間前に腰を傷めてしまう。1週間は練習できず、残る3週間で仕上げて臨む形に。「1週間のロスは大きい。不安しかなかった」

 93キロから始めたスナッチは1回目、2回目とも失敗。後がない3回目、「もうやるしかない」と93キロではなく重量を上げて95キロで挑んだ。意地を見せて挙げ切り、そのいきおいを駆ってジャークも3回全て成功させた。「自己最高、目標に遠く及ばなかったが、調子が悪い状態でやれることはやった」という。

 「2人で一緒に表彰台の一番高い所に上がろう」と誓い合った先輩、女子55キロ級の佐渡山彩奈は21日に日本記録を出して連覇。福里も誓いを果たした。「腰は復調してきた。6月のグランプリは万全の体調と調整で臨んで挽回する」と決意も固く、世界選手権への道を一歩進めた。
 (安里周悟)