ゴルフ利用者、コロナ前超 21年度「密」避け人気、136万人 りゅうぎん総研試算


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 りゅうぎん総合研究所(豊田良二社長)は24日、県内のゴルフ場の状況に関する調査レポートを発表した。ゴルフ場利用者数は2021年度に新型コロナウイルス禍前のピークを上回り、同社が試算した市場規模は19年度で182億円、直近でも同水準以上の規模になると分析した。一方、コロナ影響緩和と観光需要の回復でプレー代金を引き上げるゴルフ場もあり、県内客と県外客双方の満足度を向上させる対応や行政、関連団体との連携などを課題に挙げた。

 ゴルフは「密」が避けられるスポーツとしてコロナ禍で利用客が増加。新たにゴルフを始める若い世代や女性も増え、県ゴルフ協会のまとめで21年度の県内の入場者数(主要18カ所)は106万人と、コロナ前のピークの17年度(101万人)を上回った。協会非加盟も含めた県全体のゴルフ場(18ホール以上)では17年度が129万人だったが、19年度は130万人、21年度は136万人程度と推計している。

 りゅうぎん総研が客単価の指標と県税務統計書のデータを用いて県内の市場規模を算出したところ、19年度は182億円となった。客単価はコロナ禍で落ち込みもあったが、22年度は観光需要回復や物価高騰の影響で上昇傾向にあり、直近の市場規模は「19年度と同水準以上の規模となると推察される」と分析している。

 沖縄のゴルフツーリズムの可能性を探る上で、行政や観光協会が連携して誘客に工夫を凝らす宮崎県など、県外の先進地の取り組みも紹介。暑さでゴルフ需要が落ち込む夏場は早朝や夕方の利用を推進するなど、課題解決への具体策も提案している。

 ハイシーズンには県外客のプレー代金が平均2~3万円になり消費額向上が見通せる一方で、県内客からは割高な料金やプレー機会が限られることへの不満の声もある。りゅうぎん総研の宮国英理子取締役調査研究部長はゴルフツーリズムへの県全体の理解を深める必要性を指摘。「県民限定のプランを設けるなどしながら、県外客が増えることによる恩恵を周知し、沖縄ゴルフのブランドを高めることが重要になる」と述べた。 (當山幸都)