石垣のゴルフ場計画、見直し求める カンムリワシ営巣地に影響と批判 環境団体


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特別天然記念物のカンムリワシ=2020年3月、西表島

 沖縄県の石垣島で計画中の大規模ゴルフリゾートを巡り、環境団体の世界自然保護基金(WWF)ジャパンや日本魚類学会の関係者らが24日、記者会見し、国内に約200羽しかいないとされるカンムリワシが予定地に営巣し、希少な淡水魚の生息も脅かされるとして計画の見直しを求めた。

 リゾートはオフィス向けコーヒーサービスで知られるユニマットグループの関連会社が計画。約127ヘクタールの牧草地にゴルフ場やプールなどを建設する。県が開発許可の審査を進めている。

 オンラインと対面で開いた記者会見で環境団体などは、建設予定地は国の特別天然記念物カンムリワシの生息地で、昨年4月に営巣が確認されたと説明。リゾート施設の運営で大量の地下水の利用が見込まれ、下流に広がるラムサール条約の登録湿地「名蔵アンパル」の水量減少を引き起こすと指摘した。周辺河川では、ハゼの仲間イシガキパイヌキバラヨシノボリなど希少な淡水魚への影響も懸念されるという。

 地元の「アンパルの自然を守る会」の井上志保里事務局長は「石垣島の自然に対する最大の危機だ」と訴えた。

 守る会など16団体は同日までに、玉城デニー沖縄県知事宛てに要請書を提出。カンムリワシの生息状況や繁殖といった科学的調査を事業者に求めることや、県による審査を慎重に行うことが必要だとした。

(共同通信)