ケナガネズミ 交通事故死、最悪ペース、最多37件、今年既に15件


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【国頭】絶滅が危惧される国指定天然記念物「ケナガネズミ」の交通事故死(ロードキル)が、2023年4月20日現在で前年4月末比5件増の15件確認され、年間の事故死件数が37件で過去最多だった22年を上回るペースで発生している。25日に開かれた国や県、やんばる地域の自治体、道路関係機関でつくる「やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議」で報告された。

 ケナガネズミの交通事故が増えている要因について、環境省沖縄奄美自然環境事務所は「マングースなどの外来種対策が進み個体数が増加したことや、餌資源が豊富になった」と分析した。

 ヤンバルクイナの交通事故は、4月20日現在で前年4月末比2件増の6件発生し、例年と同水準で発生している。

 会議では、ヤンバルクイナは5月、ケナガネズミは10月の繁殖期の1カ月間を「STOP!ロードキル月間」と定め、普及啓発活動や交流サイト(SNS)などを活用した情報発信を強化する方針を確認した。
 (池田哲平)

夜、路上に出ているケナガネズミ(環境省やんばる自然保護官事務所提供)