ボクシング仲里、悲願の父子鷹 1回から攻勢、3回にダウン奪い勝利 日本ライト級タイトルマッチ


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 プロボクシングの日本ライト級タイトルマッチ(10回戦)が26日夜、東京・後楽園ホールであり、同級1位の仲里周磨(オキナワ、中部商高出)が王者の宇津木秀(ワタナベ)に挑み、3回1分40秒KO勝ちで新王者となった。仲里は2度目の挑戦でタイトルをつかんだ。戦績は13勝(8KO)2敗3分けとなった。県内ジム所属選手のタイトル獲得は父・繁さん以来、21年ぶり。3度目の防衛戦に臨んだ宇津木は13戦目で初の敗戦。

2度目のタイトル獲得に挑戦し、王座を獲得した仲里周磨(左)=26日、東京・後楽園ホール

 仲里周磨は1回から効果的にパンチをヒットさせ、王者の宇津木秀をふらつかせた。2回には持ち直した相手が手数を増やしてペースをつかみかけ、仲里は心中で「相手のペースに巻き込まれる。やばい」と焦りも。

 それでも接近戦での試合展開を念頭に据えていたため「もまれても負けない、押し負けない」練習を重ねていた。それが見事奏功。3回に右カウンターでダウンを奪い勝利した。

 仲里は試合後、「近い距離で闘うのが勝利のカギだと思っていた。宇津木選手も左フックが上手だが、タイミング的に自分が先にあてられると自信があった。それがうまくはまった」とほぼ狙い通りの試合展開だったことを明かした。

 仲里の父・繁さんは元東洋太平洋王者で世界戦に3度挑んだ。この日の試合でもセコンドを務め、喜びもひとしお。「チャンピオンベルトをとってくれて本当にうれしい」。万感胸に迫る思いを語った。

 ライト級は層が厚く強豪選手がそろい踏み。「まずは防衛戦をして世界に通用するようなチャンピオンになりたい」と誓った。
 (斎藤学)