自衛隊艦船の民間湾港利用「平素から可能に」 防衛省 PAC3の搬入遅れ受け


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航空自衛隊宮古島分屯基地内で構えるPAC3の発射台=27日午後6時半ごろ、宮古島市上野野原

 防衛省・自衛隊による地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の先島諸島への展開を巡り、海上自衛隊の輸送艦艇が中城湾港などに入れなかった件に関し、防衛省統合幕僚監部の大和太郎総括官は27日の衆院安全保障委員会で「平素から柔軟に利用できるよう地元住民の協力を得つつ取り組みたい」と述べた。斎藤アレックス氏(国民)への答弁。配備遅れについては「特段の問題はなかった」と否定した。

 先島諸島への展開に向けては27日も、発射機や車両の搬入が続けられた。関係者によると、防衛省が契約する民間チャーター船「はくおう」が28日にも中城湾港に入港し、PAC3の搬入を進めるという。これに先立ち、はくおうは27日に石垣港(石垣市)と下崎埠頭(ふとう)(宮古島市)に入り、積載していた自衛隊車両を降ろした。

 石垣市と宮古島市によると27日午後5時時点で、自衛隊側から28日以降の港湾の使用申請は出されていないという。

 連日搬入作業が続く中、航空自衛隊宮古島分屯基地では27日午後6時ごろ、PAC3の発射機が上空に向けられているのが確認された。
 (明真南斗、照屋大哲)