沖縄切り離しから71年、玉城知事「なお基地が集中する異常な状況」 


この記事を書いた人 琉球新報社
6月23日の沖縄全戦没者追悼式を新型コロナウイルス感染拡大以前に近い規模で開催すると発表する玉城デニー知事=28日、沖縄県庁

 1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約(対日講和条約)発効により、独立を果たした日本から沖縄が切り離された「屈辱の日」から28日で71年が経過した。玉城デニー知事は同日の会見で、米施政下時代から今もなお基地集中が続く現状に触れ、基地の整理縮小を求めていく考えを示した。

 玉城知事は「沖縄は日本国憲法の適用もなく、県民は米軍基地から派生する事件事故に相当苦しめられていた。日本国憲法の下で基地負担の軽減が図られ、平和で豊かな沖縄が実現することを期待していた。しかし、現在もなお基地が集中する異常な状況だ」と指摘した。

 日米両政府に対し、在沖海兵隊の段階的な整理縮小、SACO(日米特別行動委員会)と嘉手納より南の米軍施設・区域の返還・統合計画に続く、具体的な返還計画の検討や策定を求めていくとした。

 米空軍嘉手納基地の住民居住地域に近い旧駐機場「パパループ」付近に防錆(ぼうせい)整備格納庫の移設が予定されている問題で、米軍が移設先を変更しない方針と報道されたことについて、午後に国から説明を受ける予定とした上で「仮に報道内容が事実ならば、大変残念で強い憤りを禁じ得ない。格納庫建設により地元の負担がこれ以上増加することはあってはならない」と話した。今後の対応については嘉手納町と意見交換して検討していくとした。

 毎年6月23日に開催している「沖縄全戦没者追悼式」について、新型コロナウイルス感染拡大以前と同規模で実施すると発表した。一般参列者の入場や、式典終了後の一般焼香も行う。(梅田正覚)