玉城デニー知事「強い憤り」 嘉手納基地の防錆施設 国の強行方針を批判


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玉城デニー知事(資料写真)

 米軍が嘉手納基地内の防錆整備格納庫移設先として、沖縄県嘉手納町などの要望を拒否して住民居住地域に近い旧駐機場「パパループ」付近に移設する方針を改めて伝えたことについて、玉城デニー知事は28日、「大変残念であるとともに強い憤りを禁じ得ない」と話した。

 県は再三にわたってパパループ付近への防錆整備格納庫の移設計画に反対してきたとして、「地元の負担がこれ以上増加することがあってはならない。今後の対応については嘉手納町とも意見交換をしながら検討していきたい」と述べた。

 嘉手納町の當山宏町長は「周辺環境に影響を与えかねない施設が住民地域近くに建設されるのは容認できない」と強調した。

 防衛省などから施設の安全性などの説明を受けたものの、「これまでの基地内の事故は管理上の不十分さや人的要因が多いと認識している」とし、安全性の確保についても懸念を示した。

 また旧駐機場のパパループが恒常的に使用される恐れも指摘し、「今後の対応を検討する。(日米両政府には)説明を尽くしてほしい」と求めた。

(梅田正覚、石井恵理菜)