米軍属女性殺害事件から7年 今も現場に市民の献花「事件繰り返さない」 沖縄県・恩納村


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米軍属による女性殺害、遺棄事件から7年がたち、遺棄現場で手を合わせる人ら=28日、恩納村

 【恩納】2016年にうるま市でウオーキング中の女性=当時(20)=が元海兵隊員で米軍属だった男に殺害、遺棄された事件から28日で7年がたった。遺棄された恩納村の現場には献花台が設置され、花を手向ける人の姿が見られた。元金武町長で遺族を支援する吉田勝広さんによると、遺族はいまだ癒えぬ悲しみを抱えたまま、この日を迎えた。

 吉田さんは最近、遺族と面会した。その際遺族は「4月になると気持ちが落ち着かない」と涙ながらに訴えつつ、「前向きに頑張っていこうと思っている」と述べたという。吉田さんは「7年がたったが、事件を忘れず、繰り返さない決意が必要だ。何が原因だったのか、考え続けていきたい」と語った。

 献花台は吉田さんが27日に設置し、近隣の住民から提供されたキクの花や、訪れた人が持ってきた月桃、ユリなどが供えられた。

 花を手に性暴力のない社会の実現を求める「フラワーデモ」を主催する上野さやかさんは、強姦救援センター・沖縄「REICO」代表の高里鈴代さんと現場を訪れた。上野さんは「変わらない追悼の思いを伝えたい。活動を通して、同じように被害を受けている女性に『あなたは悪くない。一人じゃないよ』と伝えたい」と語った。

 献花台を訪れた人からは、基地があるが故に起きた事件に対して憤りつつ、軍事拡張が続く沖縄の現状を懸念する声も聞かれた。
 (池田哲平)