新型コロナ対策に伴う行動制限のない今年の大型連休。沖縄県内の行楽地や市街地には多くの人が繰り出し、数年ぶりににぎやかな風景が見られた。マスク着用のルールが緩和された後の大型連休とあって、各地ではマスクを外す姿も。はじけるような笑顔が広がり、「開放感」という言葉が聞こえてきた。
北部 「ジンベエ、大きい」 本部・海洋博公園 親子連れ大満足
【本部】本部町の海洋博公園では、イルカショーや各種イベントを楽しむ家族連れの姿が目立った。
愛知県から家族5人で訪れた奥田瞬平くん(7)は園内の沖縄美ら海水族館を見学し「ジンベエザメが大きかった。チンアナゴも泳いでいて楽しかった」と満足そうな表情を見せた。
名護市から家族4人で訪れた比嘉勝弥さん(29)は9連休といい「連休初日は混んでいないと思って来た」と語った。22日に開幕した伊江島ゆり祭りも訪れる予定で「久しぶりの参加を楽しみにしている」と笑顔を見せた。
初めて沖縄を訪れたという池ヶ谷武さん(58)は、新型コロナの社会生活への影響が和らいだ後の大型連休について「マスクを外している人が多く、開放感がある」と語った。
(武井悠、写真も)
八重山 自然やグルメ楽しみ 石垣 観光客らでにぎわう
【石垣】石垣市で多くの飲食店が建ち並ぶ730記念碑交差点では、県内企業のロゴマークの入ったTシャツを着たり、キャリーバッグを引いたりする観光客らが行き交った。
千葉県から初めて石垣島を訪れたという夫婦の富田祐真さん(32)と遥菜さん(32)は「八重山諸島の自然やグルメが楽しみ」と話し、30日は「西表島に行く」とそれぞれ炭酸飲料とビールを手に楽しそうに語った。
(照屋大哲、写真も)
南部 犠牲者思い 歌ささぐ 対馬丸「小桜の塔」こいのぼり掲揚式
5月5日のこどもの日を前に、那覇市若狭にある対馬丸戦没者の慰霊碑「小桜の塔」で、こいのぼり掲揚式が行われた。つしま丸児童合唱団の子どもたちが歌を歌い、こいのぼりを掲揚した。掲揚後には、主催した対馬丸記念館の職員や関係者らと共に黙とうをささげた。参加した児童らは犠牲者への追悼の思いと平和への願いを語った。
上原諒さん(糸満南小6年)は「(犠牲となった児童を)少しでも喜ばせようと思いながら歌った」、岡安奏音さん(那覇小6年)は「戦争のない平和な世界になってほしい」、鉢嶺幹太さん(垣花小6年)は「こどもの日ぐらいは楽しんでほしい」、玉城杏樹さん(垣花小6年)は「亡くなった子どもたちの分まで夢をかなえたい」と語った。
対馬丸記念会の高良政勝代表理事によると、こいのぼりが年々古くなり数も少なくなっているとして「家庭で使わなくなったものがあれば譲り受けたい」と話した。
(慶田城七瀬、写真も)
中部 北谷・沖縄・うるま 過ごし方 多彩に 動物園、海遊び…
【中部】北谷町のアメリカンビレッジは家族連れやカップル、米軍関係者などでにぎわった。スマートフォンを片手に観光情報を調べる外国人の姿も。家族6人で訪れた台湾出身のアリス・チャンさん(34)は「近い外国にリラックスしに来た」と旅行を満喫していた。
沖縄市の沖縄こどもの国では動物展示エリア「里山の迷宮」がリニューアルした。子どもたちが「リスかわいい!」などと興奮していた。有村英茉さん(7)=うるま市=は「みんなでアイスを食べて楽しかった」とうれしそうだった。
うるま市の海中道路の海辺では、十数人がサップなどマリンレジャーを楽しんでいた。海岸でバーベキューしていた國場善孝さん(55)は「天気が良くなればGWは地元の人が爆発的に増えると思う」と話した。
(古川峻、写真も)