北朝鮮の軍事偵察衛星発射に備え、防衛省・自衛隊が沖縄県石垣市で駐屯地外にも地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の展開を検討していることが29日、分かった。複数の関係者によると、市南ぬ浜町の新港地区を含む複数の候補地を検討している。
自衛隊がPAC3展開に向けた準備を23日に開始して1週間が経過した。30日も作業を続け、先島諸島へのPAC3輸送をほぼ完了させるとみられる。
2012年4月と12月、16年の2月に北朝鮮が衛星と称して飛翔(ひしょう)体を発射した際も、石垣市内でPAC3が設置された場所は新港地区だった。
関係者によると、29日には石垣市に持ち込んでいたPAC3展開の関連車両を民間船で与那国町に移動させた。30日にも同様の作業が計画されている。
浜田靖一防衛相は22日、北朝鮮が打ち上げを計画する「軍事偵察衛星1号機」が日本領域に落下する事態に備え、迎撃ミサイルなどの部隊を展開するため「破壊措置準備命令」を出した。
これを受けて自衛隊は23日から福岡県などからPAC3を運んでいた。
防衛省は展開先について宮古島分屯基地、石垣駐屯地、与那国駐屯地と説明している。
(明真南斗、照屋大哲)