岸本正之さんが死去、北米の沖縄県系人学生を援助 関係者らが惜しむ声「いつも熱心に学ぶ」


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岸本 正之氏

 北米沖縄県人会子弟の高校卒業生で大学生へ進学する学生に奨学資金を提供するなど、県系学生の援助に貢献した岸本正之氏が3月21日に88歳で亡くなった。葬儀は4月4日にカリフォルニア州ランチョパロスバーデスのグリーンヒルズ・メモリアルパークで行われた。現地の関係者からは死去を惜しむ声が上がった。

 「沖縄出身のアル・ムラツチカリフォルニア州下院議員の選挙活動を、まるで父親の様に応援していただきました。カリフォルニアやアメリカの政治や政策をいつも熱心に学び、疑問や質問をいつも投げかけてくれた」と、ムラツチ夫人の博子さん。葬儀に参列した北米沖縄県人会のエディー神谷会長は「会社役員や多くの友人がお別れの言葉を述べていた」と語った。元北米沖縄県人会会長の比嘉朝儀さんは「岸本氏のこれまでのご功績に深く敬意を表し、沖縄県人会の会員とともに謹んでご冥福をお祈り申し上げます」と死を悼んだ。

 岸本さんは1934年に名護で生まれた。57年に琉球大学を卒業し、61年にフルブライト米国国費留学生としてメリーランド大学院で博士号取得。日本航空で25年間勤務した後に退職した。99年に岸本ファミリー・インターナショナル社を創立して、社長を務めた。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)