県信用保証協の債務残高が過去最高に 3006億円、コロナ返済据え置きで高止まり


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 県信用保証協会が、県内企業の借り入れに対し保証している債務残高は、2022年度末で3006億円5400万円(2万3248件)となり、金額と件数ともに過去最高だった。新型コロナウイルス関連融資の返済据え置き措置などの影響で金額ベースで前年度末から0・05%の微増となった。返済できなくなった企業の借金を同協会が肩代わりする「代位弁済」は前年度比24・9%増の23億5千万円だった。

 中小企業や小規模事業者が金融機関などから融資を受けやすくするよう、信用保証協会が「保証人」の役割を担う信用保証制度は、コロナ禍の「ゼロゼロ融資」で20年度に保証申し込みが急増した。

 県信用保証協会の22年度の保証承諾は593億9600万円と前年度を下回ったが、返済期間の据え置きや条件変更により、保証債務残高は高止まりとなった。

 23年度はゼロゼロ融資の返済が山場を迎えるため、企業経営が行き詰まる局面も予想される。

 企業が返済できない場合の代位弁済は22年度が23億5千万円と、協会の当初計画(40億円)よりも規模は小さかった。条件変更や新規融資、経営持ち直しなどによって想定より低く抑えられたとみられるが、コロナ関連融資の返済が本格化する23年度は50億円程度の代位弁済が発生すると見込む。

 代位弁済につながる可能性のある休業や廃業などの「事故」も増加傾向にあるという。

 同協会の担当者は「引き続き支援に当たるが、各業種で厳しい状況があり、どうしても代位弁済も本格化していくのではないか」と説明した。

 (當山幸都)