若夏の到来を告げる第49回那覇ハーリーが3~5日の日程で、那覇港新港ふ頭で4年ぶりに開催される。最終日の「本バーリー」には、那覇中学3年の安次富長衛(たける)さん(14)がこぎ手として「泊」チームから出場する。中学生がこぎ手として出るのは珍しく、泊地域のこぎ手としては歴代最年少だ。泊は今回、長衛さんら若手をこぎ手の中心に据えており、2015年以来の優勝を目指す。
長衛さんは父の長郎(ながお)さん(51)、兄の長徒(たけと)さん(17)=那覇国際高2年=の親子3人で出場する。長徒さんもこぎ手としての出場は初めてで、中学時代は旗持ち役としてハーリーに参加した。息子2人との出場に、「生粋の泊んちゅ」としてこぎ手歴10年超の長郎さんは「親子3人での出場は初めてでうれしい。本バーリーは那覇に連敗を喫しており、絶対に負けられない戦いだ」と気合を入れる。
600年前の琉球王国時代から受け継がれてきた那覇ハーリーは、県内各地で行われるハーリーの中で最大規模を誇る。泊、那覇、久米の3チームが出場する本バーリーは那覇が4連覇中と快進撃を続けており、泊、久米ともに「打倒那覇」を掲げ練習に精を出す。
泊チームはとまり会青年部のメンバーが主体で、こぎ手32人の年齢層は10代~50代と幅広く、最年少の長衛さんは爬龍船の後方部分に配置される予定だ。長衛さんは3日の中学生の部にも出場予定で、那覇中チームのキャプテンを務める。「ワクワク感もあるが同じくらい不安感もある。本番ではペースが落ちないよう頑張りたい。那覇中でも本バーリーでも優勝したい」と意気込む。
(吉田健一)