【憲法アンケート】加憲・改憲が護憲を上回る 9条改定では反対が過半に 県関係国会議員10人と県議会議員48人に聞く


この記事を書いた人 琉球新報社
沖縄県議会本会議場

 琉球新報は日本国憲法施行から76年を迎えた憲法記念日の3日に合わせて、沖縄県関係の国会議員10人、県議会議員48人を対象に現憲法の評価や安全保障についてのアンケートを実施した。憲法改定について「全体的な見直し」「条文の追加や見直し」を選択した改憲・加憲派が31人(53.4%)となり、「必要ない」とした護憲派の26人(44.8%)を上回った。ただ、全体的な見直しを選んだ改憲派は2人にとどまり、憲法9条の改定は「必要ない」が過半数となった。

 戦争放棄や戦力不保持をうたった憲法9条の改定については全体の過半数、31人が「必要ない」とし、「必要ある」は25人、「どちらでもない」が2人だった。

 憲法改定について必要性を示した31人のうち「全体的な見直し」は2人で「条文の追加や見直し」が29人だった。国会、県議会ともに改憲・加憲に前向きな国政与党の自民と公明の所属議員全員が必要と主張し、多くが「時代の変化に合わせた対応が必要」とした。自民県議らは「9条への自衛隊明記」など党が掲げる改憲4項目について「検討されるべきだ」と訴えた。

 「改定の必要はない」と回答したのは、野党国会議員4人、県議会与党県議(24人)のうち22人の計26人。玉城健一郎県議(てぃーだ平和ネット)は「先の大戦の反省から創られた民主的な憲法だ」などと護憲を強調した。

 改憲・加憲の必要性を示した議員の中には9条に基づく「平和主義」は変える必要はないとした上で、教育無償化や環境権の拡充を理由とした議員もいた。憲法改定について「どちらでもない」とした山里将雄県議(てぃーだ平和ネット)は「防災や福祉、教育など生活向上に資することについてはしっかり議論し、国民の理解の上で改正することも必要」と回答した。

 「条文の追加や見直し」が必要とした国政与党公明の議員も現憲法の理念堅持を示した。上原章県議は「環境権やプライバシー権など社会の変化に合わせ追加を検討」とした。

 現憲法への評価については自民県議18人が「どちらでもない」とし、残る40人が「評価する」とした。

 アンケートは4月18~27日に配布・回収した。
 (佐野真慈)