泡盛「常盤」米国の品評会で金賞 もろみ濃度を高く、伊是名酒造所が挑んだ「常識破り」 南島酒販「shimmer」ブランドの第1弾


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サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションで最優秀金賞を受賞した「shimmer#1常盤」

 4月に米国で開かれた世界的な蒸留酒品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)2023」で、南島酒販(西原町・大岩健太郎社長)と伊是名酒造所(伊是名島・仲田輝仁社長)が共同で開発した「shimmer#1常盤」が最優秀金賞を受賞した。

 「shimmer(シマー)」は南島酒販の新ブランド。新たな挑戦をサポートし、泡盛の可能性を広げることを目的に2022年に立ち上げた。「常盤」は第1弾の商品となる。

 開発担当の伊是名酒造所の仲田詢弥さんは「泡盛造りでもろみを仕込む際に投入する水(汲水)の量を通常よりも減らし、もろみの濃度を高くした。これまでの常識を覆す挑戦だったが、結果的に濃厚な香りと口当たりが実現した」と自信を見せる。

伊是名酒造所の仲田幸信専務(左)、仲田詢弥さん(中央)、南島酒販システム統括部の古謝雄基さん=1日、県庁記者クラブ

 商品は南島酒販のECサイトや県内酒販店などで販売されている。720ミリリットル3850円。950本の数量限定販売となり、完売した時点で販売を終了する。一般的な泡盛と比べて高額だが、県外の泡盛ファンを中心に注目され、南島酒販によると残りの在庫は400本ほどだという。

 南島酒販システム統括部の古謝雄基さんは「県内の酒造所とタッグを組み、泡盛の価値を高めたい」と意気込んだ。
 (普天間伊織)