首里城の赤瓦「守り神」に生まれ変わる 那覇でしっくいシーサーづくり 体験会に親子40人


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首里城の破損した赤瓦を使ったしっくいシーサー作りに挑戦する参加者ら=4日、那覇市大道の沖縄ホテル

 2019年の首里城焼失に伴い破損した赤瓦を使った、しっくいシーサー作りの体験会が4日、那覇市の沖縄ホテルで開かれた。親子連れを中心に市民ら約40人が参加し、それぞれが思い描く「守り神」を表現した。

 県琉球赤瓦漆喰(しっくい)施工協同組合と沖縄ホテルの共催。同組合は以前から体験会を開催していたが、新型コロナウイルス禍の影響で途絶えていた。老舗の宿泊施設として沖縄の伝統文化を発信してきた同ホテルの宮里公宜社長兼支配人が組合に協力し、開催に向けて昨年から準備を進めてきた。

 体験会では破損した赤瓦を骨組みに、参加者たちが少しずつ肉付けをしてシーサーの姿をかたどった。思い通りにいかずに悪戦苦闘する場面も見られたが、きょうだいや親子で協力しながらそれぞれバラエティー豊かな作品に仕上げていった。作品は、翌5日に絵付けをして完成する。

 家族3人で参加した中学生=南風原町=は「頭を低めて威嚇するような迫力あるシーサーを表現できた」と、出来栄えに満足そうな表情を見せた。

 組合の田端忠代表理事は「自由度の高さがしっくいシーサーの特徴。これを機会に後継者育成につながればうれしい」と話した。宮里さんも「今後も取り組みを続けたい」と意気込んだ。
 (小波津智也)