鶏肉は十分加熱を! カンピロバクター食中毒が急増 沖縄県が注意呼びかけ


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 沖縄県衛生薬務課は2日、生や加熱不十分の鶏肉を原因とした「カンピロバクター属菌食中毒」の確定件数が今年1~4月で4件(前年同期比0件)と増加傾向にあると発表した。

 カンピロバクターによる食中毒は主に加熱不十分な鶏のタタキや焼き鳥などが原因食品となっている。感染すると下痢やおう吐、発熱などの症状があり、入院する事例もあるという。

 過去の発生件数は2017年が16件、18年15件、19年が10件だったが、コロナ禍で飲食店の利用が減った20年は4件、21年は5件だった。22年は9件と増加。23年は社会活動が活発になっているため、さらに増える恐れがあるという。

 カンピロバクターは食中毒の代表格で、18~22年に県内で確定した食中毒102件のうち、43件(42%)を占めており、2位の動物性自然毒(シガテラ)の2倍以上となっている。

 原因となる施設別では飲食店が29件(67%)と最多で、居酒屋や焼き鳥店などが多いという。

 県衛生薬務課は「『新鮮だから大丈夫』ではなく、十分に加熱したり、鶏肉に触れた調理器具は消毒したりなどして予防してほしい」と説明し、県民や飲食店経営者に注意を呼び掛けた。
 (嘉陽拓也)