生まれ故郷・志多伯に恩返し、100万円寄付 85歳知念さん、医師を引退し決意 沖縄・八重瀬


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知念正雄さん(左)から寄付金を受け取る神谷常夫区長=4月22日、八重瀬町の志多伯公民館

 【八重瀬】旧東風平町志多伯で生まれ育った知念正雄さん(85)は4月22日、お世話になった故郷・沖縄県八重瀬町志多伯自治会(神谷常夫区長)に100万円を寄付した。

 1937年10月生まれの知念さんは2022年12月末、44年前に開業した医療法人「いちご会 ちねん小児科」診療所を閉鎖した。現役引退をきっかけに故郷に恩返しがしたいと思い立ち、寄付金を贈呈することを決めた。

 志多伯公民館で行われた贈呈式では、知念さんから神谷区長に寄付金の目録が手渡された。贈呈式には新垣安弘町長をはじめ、区の顧問、評議員、老人会、子供会の役員、幼なじみの区民らが参加した。

 あいさつに立った知念さんは「大学入学するまで過ごした志多伯に恩義を感じていたけれど、うるま市で小児科医を開業していて志多伯までなかなか来ることができなかった。引退を機に故郷に恩返しがしたいと考えたが、残念ながら体力的に厳しいので、医療法人を清算した時の退職金の一部を寄付することにした」と経緯を説明した。

 寄付金を受け取った神谷区長から「いただいた寄付金は字志多伯の発展のために、老人会、子供会の育成のために有効に活用させてもらいます」とお礼を述べた。

 贈呈式の後、懇親会では新垣町長が乾杯の音頭を取り、公民館が用意した中身汁が参加者にふるまわれた。昔、隣近所に住んでいた幼なじみの人々も駆け付け、和やかに交流した。

(喜屋武幸弘通信員)