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与那国、陸自ミサイル部隊予定地に文化財「伝サガムトゥ村遺跡」 配備遅れる可能性も 沖縄


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与那国駐屯地(資料写真)

 【与那国】陸上自衛隊与那国駐屯地(沖縄県与那国町)に地対空誘導弾(ミサイル)部隊を追加配備する計画で、防衛省が駐屯地東側で新たに取得を予定している土地内(18万平方メートル)に、埋蔵文化財の「伝(でん)サガムトゥ村遺跡」が含まれていることが9日分かった。開発には、文化財保護法に基づき事前の届け出や工事手法の次第では発掘調査をそれぞれ必要とするため、配備計画が遅れる可能性もある。

 町教育委員会などによると、防衛省が取得を予定している土地の北側に遺跡はある。16~17世紀ごろの集落で、町比川と町久部良を結ぶ道路の南側に位置し、標高約30メートルの場所となる。八重山式土器や外来陶磁器などが見つかっている。

 現在は原野や牧草地となり、保存状態は良好だという。本格的な調査はこれまで実施されておらず、遺跡の正確な範囲も把握できていない。

 埋蔵文化財がある土地として周知されているため、工事をする場合は文化財保護法第93条に基づき、土木工事などをする際は事業者が開発に着手する日の60日前までに、文化庁長官に届け出なければならない。

 町教委によると、これまで防衛省・自衛隊側から文化財に関する事前の問い合わせはないという。今後、問い合わせがあった際は町や県などとともに協議が必要となる。

 防衛省は部隊配備に関して、15日午後6時半から町離島振興総合センターで住民説明会を開く。

 防衛省は2022年12月、町に地対空誘導弾(ミサイル)部隊を配備する方針を固め、23年度度予算案に新たな土地を取得する費用を計上していた。