沖縄県警は9日、県内の小学校の一室で女子児童と面接中にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ容疑で県職員の男(32)を逮捕した。関係者によると、容疑を大筋で認めている。当時、容疑者は児童相談所で児童福祉司として勤務しており、児童とは面接を重ね面識はあったという。県警は同日、八重瀬町の自宅を家宅捜索し、関係資料などを押収した。事件の詳しい経緯を調べている。
県警捜査一課によると、逮捕容疑は2023年3月ごろ、県内の小学校で女子児童にわいせつ行為をした疑い。
児童との面接は小学校の一室で就学時間中に行われた。容疑者は児童と2人きりになり、身体に接触させるなどのわいせつ行為におよんだ。その様子をスマートフォンで撮影した数分間の動画を保存していた。
面接は複数回行われていて、スマホには被害に遭った児童の別の動画なども保存されていたが、いずれもわいせつな行為は確認されていない。事件発覚まで児童は被害を受けた認識がなく、保護者や関係機関への相談はなかったという。
容疑者は面接場所が他の児童や職員の目に付きにくいことを理解していたとみられ、県警は児童福祉司という立場を利用した犯行とみている。
関係者によると、容疑者はこれまで児童側と複数回面接を重ねていることなどから、一定程度の信頼関係があったという。
事件発覚のきっかけは、4月16日に糸満署管内のスーパーで「買い物中の女子学生が撮影されている」と110番通報があった。現場にいた容疑者のスマホを確認したところ、スーパーで撮影された画像に犯罪が疑われるものはなかったが、児童に対するわいせつ行為におよぶ動画が見つかった。
事件を受け、県子ども生活福祉部の宮平道子部長が県庁で会見を開き「あってはならない事態に強い衝撃を受けている。被害を受けた児童およびご家族、ならびに関係者の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝した。