世界の舞台へ日々鍛錬 車いすソフトボール日本代表の仲里、新城 他競技の経験生かす


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(左)右手一本でボールを飛ばす新城茂人 (右)投手を務める仲里進=9日、浦添市のサン・アビリティーズうらそえ

 車いすソフトボール日本代表20人がこのほど選出され、沖縄県内から仲里進(46)=日成ビルド工業=と、新城茂人(40)=浦添市職員=が入った。8月に米国でワールドシリーズが開催され、代表メンバーは最終的に16人まで絞られる。世界の舞台を目指し、2人は日々練習を重ねている。

 9日、浦添市のサン・アビリティーズうらそえ。施設内の体育館には、車いすソフトボールチーム「琉球ワイルドキャッツ」の選手らが、週1回の練習のため集まっていた。チームは昨年3月に発足したばかりで、22人で構成する。

 仲里は車いすラグビー選手としてパラリンピックにアテネから4大会連続出場し、16年のリオで銅メダルを取っている。新城は車いすバスケット「シーサーズ」のエースとして活躍する。ラグビーとバスケットで活躍してきた2人は車いすスポーツの経験が豊富でチェアスキルが高い。始めたばかりのソフトボールにもうまく対応する。

 車いすソフトボール選手は障がいの重さなどで0~3点が配分され、試合では参加選手の合計持ち点が21点を超えることができない。仲里は一番重い0点、新城は2点が与えられる。

 0点の選手は内野を越えるヒットを打つのが難しい場合が多いが、仲里は外野まで飛ばす力を持っている点が強みだ。新城も体幹を生かし右手一本で球を打ち返すパワーがあり、守備では打球処理を得意とする。2人とも日本代表の即戦力として活躍できる潜在力を秘める。

 仲里は「車いすソフトボールを通じて、健常者が障がい者スポーツを身近に感じてもらえる。(活躍する姿を見せることで)普及にもつながればいい。まずは日本代表に入れるよう練習していく」と気合を見せた。新城は「ソフトボールはワンプレーの重みがある。やるからには代表のステージに立ちたい。選ばれれば試合に出て活躍する」と意気込んだ。

(砂川博範)