【中部コース】広大な基地を横目に怒りの拳掲げる 行進中には戦闘機の飛来も <5・15平和行進>


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抗議の声を上げながら、米軍嘉手納基地のフェンス沿いを行進する参加者ら=13日午後、北谷町(喜瀬守昭撮影)

 本島内を2コースに分かれて行われた5・15平和行進は、全国から1950人(主催者発表)が参加した。参加者は沖縄戦の爪痕に触れて命の尊さを、広大な基地を目の当たりにして地元住民に押し付けられた不条理を実感し、改めて不戦の思いを強くした。

 【中部】「中部基地コース」は県内外から1200人が参加し、読谷村役場から北谷町役場までの約12キロを行進した。赤い鉢巻きを頭に巻いた参加者は、米陸軍トリイ通信施設や米空軍嘉手納基地といった広大な基地を横目に過重な基地負担を訴え、怒りの拳を掲げて歩みを進めた。

 読谷村役場であった出発式では、実行委の上里善清共同代表があいさつした。米軍基地に起因する環境汚染に触れ、「沖縄の人権が無視されている。この状況を許すわけにはいかない」と語気を強めた。

 行進中の午前11時ごろには、米本国所属のF15E戦闘機が嘉手納基地に飛来する様子も確認された。

 徳島県から参加した藤川真紀さん(43)=公務員=は78年前の沖縄戦と、沖縄への基地の過重負担が続く現状を重ね、「二度と沖縄を捨て石にしてはいけない。徳島と沖縄は離れているが、一緒に行動したい」と力を込めた。
 (石井恵理菜)