Q: 沖縄の日本復帰って何のことだろう?
A: 1972年5月15日に沖縄の施政権が米国から日本に返還されたことを指します。
第2次世界大戦後、日本は米国に占領されました。52年に主権を回復しましたが、沖縄は切り離され、米国による統治が続きました。
住民側の行政機関として同年、琉球政府が設立されます。立法、行政、司法の三権を備えていましたが、その権限は米国政府の沖縄統治の出先機関である琉球列島米国民政府(USCAR、ユースカー)の認めるものに限定されていました。
米国民政府のトップには、軍人の高等弁務官がいて、三権に及ぶ絶対的な権限を握り、琉球政府は弁務官の出す布令や布告によってがんじがらめとなっていました。
米統治によって人権が踏みにじられた状況に対し、自治への渇望が広がります。68年にはそれまで高等弁務官の任命制だった行政主席の公選が実現しました。自治権拡大の住民の求めは、基本的人権の尊重などをうたう日本国憲法の下に復帰を求めるうねりとなりました。
69年、佐藤栄作首相とニクソン米大統領が沖縄返還に合意。72年5月15日に沖縄は日本に復帰しました。
琉球政府は廃止され、新たに「沖縄県」としてスタートし、日本の法律が適用されることになりました。議会の立法院は県議会に移行したほか、日本の司法制度に基づき裁判所が置かれました。
ただ、米軍基地は置かれたままで、沖縄側が望んだ復帰とはなりませんでした。今もなお、国土面積の約0.6%の沖縄に在日米軍施設の7割が集中しています。