「人口」「失業率」は到達、「県民所得」は未達 2012年から10年間の第5次沖縄振興計画 達成した目標はいくつあった?


この記事を書いた人 琉球新報社

 県はこのほど、2012~2021年度に実施した第5次沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」(振計)の達成状況を取りまとめて公表した。施策の一定の成果を見る指標として県が重要視する6項目のうち、「展望値」に到達したのは「総人口」「労働力人口」「就業者数」「完全失業率」の4項目だった。「1人当たり県民所得」「県内総生産(県内GDP)」は展望値に達しなかった。

 完全失業率や入域観光客数などの成果指標97項目のうち「達成」は約60%、「前進」は約15%、「横ばい・後退」は約26%だった。県企画調整課の担当者は達成と前進は合わせて約75%あるとして、「取り組みはおおむね良かった。ただ、将来像によっては達成率が低い項目もあり、引き続き沖縄振興は必要だ」との認識を示した。

 重要6項目のうち、総人口は基準年の2010年に139万3千人だったが、2021年は146万9千人となり、展望値の144万人を超えた。労働力人口も2010年は67万3千人だったが、2021年は75万7千人で、展望値の71万9千人を超えた。就業者数は2010年は62万2千人だったが、2021年は73万人となり、展望値の69万人を超えた。完全失業率は2010年の7.6%から、2021年は3.7%に改善した。

 経済指標となる1人当たり県民所得は計画最終年度の2021年度は217万円で展望値271万円に達しなかった。県内GDPも21年度は4兆2546億円で、展望値5兆1439億円に到達しなかった。

 県は新型コロナウイルスの感染拡大が響いたとみる。県企画調整課は「仮に新型コロナがなかったら、県内GDPは展望値にかなり近い数値になったのではないか」と述べた。

 県は今年3月に第5次振計の展望値の到達状況、五つの将来像ごとの「目標とする姿(成果指標)」(97項目)の達成率を公表した。
 (梅田正覚)