沖縄はまた戦を見るのですか- 沖縄15人の声を特集する「通販生活」の思い


この記事を書いた人 琉球新報社
「沖縄を二度と戦場にしないために。沖縄から15人の声」を掲載している「通販生活」のホームページ

 1972年の日本復帰から51年となった15日、カタログハウス(東京都渋谷区)は「通販生活」のホームページで「沖縄を二度と戦場にしないために。沖縄から15人の声」の掲載を始めた。「敵基地攻撃能力の保有」を巡り、県出身者や沖縄に縁が深い15人の思いを、1日3人、5日間に分けて伝える。

 15日は戦時中、1484人(氏名判明分)の犠牲を出した対馬丸事件体験者の平良啓子さん、玉城デニー知事、沖縄国際大の前泊博盛教授の3人が意見を寄せた。

 平良さんは、武力攻撃の際に先島の住民などを九州に避難させる県の計画について、1944年に乗っていた疎開船が撃沈されたことを踏まえ、「海はどこからでも狙われる。船で避難はできません。88歳まで、こんなにも平和のために頑張ってきて、また戦を見るの? 絶対にやめてほしい」とコメントした。

 玉城知事は、長距離ミサイル配備計画について防衛省から県に全く説明がないと言い、「不信感が増すだけだ」と不快感をあらわに。日本政府に「戦争をしない」外交努力を求めた。前泊さんは「アメリカが危機をあおり、日本を使って中国を追い込もうとしている。敵基地攻撃能力は憲法違反だ」と指摘した。

 同社の平野裕二さんは企画のいきさつについて「辺野古反対を示した県民投票が忘れられている、と読者からの指摘があったほか、安保関連3文書で明確に沖縄の負担が増えるのに、沖縄の声が政策に反映されているとは言えず取り上げる必要を感じた」と話した。

 19日までに目取真俊さん(作家)、山里節子さん(八重山民謡伝承者)、元山仁士郎さん(大学院生)、東盛あいかさん(映画監督・俳優)、平良隆久さん(漫画原作者)、内村千尋さん(「不屈館」館長)などの掲載を予定する。カタログ誌の発行部数は約120万部。
 (中村万里子)