【与那国】陸上自衛隊与那国駐屯地への地対空誘導弾(ミサイル)部隊配備計画に伴い、防衛省が15日に与那国町内で開いた住民説明会で、説明会会場に不在とみられていた糸数健一町長が参加していたことが16日、分かった。町の担当者によると、町長は説明者の防衛省関係者らが並んだ席ではなく、町民側の席で、最前列の右側に着席していたという。
15日の説明会開会直後、町民がいすから立ち上がり「どうして町長がいないんだ。町長を出せ」などと求め、説明会は一時紛糾した。糸数町長は説明会終了まで登壇することなく、ミサイル配備に関する自身の見解などを町民に語ることはなかった。
報道陣が16日、糸数町長にその場で名乗り出なかった理由など尋ねたが、体調不良などを理由に応じなかった。
防衛省は琉球新報の取材に対し、糸数町長の出欠について町から事前に連絡を受けており、出席していることを「把握していた」と答えた。町民から町長による説明を求める声が上がったにも関わらず、対応しなかった点については「あくまで今回の説明会は防衛省が説明する側であるから」とした。
(照屋大哲)