「前の浜」よみがえらせる 自費で海岸を整地し見事な海岸に 漢那海の会「訪れてほしい」 沖縄・宜野座


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【宜野座】宜野座村漢那区のビーチ「前の浜」の管理や活用を目的とした「漢那海の会」が有志により発足した。「前の浜」は緩やかに傾斜した広大な砂浜があり、青々と広がった芝の上に自然に成育したモクマオウが涼しげに点在する風光明媚(めいび)な海岸で、人々の憩いの場だ。長い間、雑草や漂着ごみが散乱する放棄地だったが、漢那区の仲間正さんが8年前、環境改善へ動き出した。

漢那海の会のメンバーの(後列左から)石川徳光さん、津嘉山朝政さん、仲間正さん

 漢那区の石川徳光さん、津嘉山朝政さんも協力し、自費でユンボを借りて海岸を整地。草刈りや漂着ごみ回収、沖縄在来の野生の芝の敷設という根気を要する作業を続け、見事な海岸を作り出した。敷設された芝は台風時、砂の飛散の抑制も担う。

 仲間さんは「好きだからできる。半世紀以上も昔、海の生物が生息し、サンゴ礁もきれいでグラスボートもあった。人として大切なことを浜で学んだ。現代は結(ゆい)まーるの結が欠落している。子どもたちに、かつての海を返したい。漢那海の会でサンゴ礁の再生や養殖まで行うことが夢だ」と、語り尽くせぬ情熱を語った。

 津嘉山朝政さんは「前の浜で、ハマグリやタコを取り親しんだ。冬にはいさり火が燃えて漁も行われた。子どもたちの心の教育に大きく影響した海だった。赤土で魚がいない海になったが、仲間さんのおかげできれいな海に生まれ変わろうとしている」と活動の展開に意欲的だ。

 マリンスポーツの技術を有する金城達二郎さん(漢那区)は「これだけのフィールドを有効に活用したい。後世に技術と経験を伝えたい」と、アイデアを模索する。

 漢那海の会は多くの方々に前の浜を訪れてほしいと呼びかけている。問い合わせは津嘉山さん、電話090(7153)1792。
 (池辺賢児通信員)