和名でメガネモチノウオは、一般にはナポレオンフィッシュの名前で知られ、沖縄の方言ではヒロサーやヒロシーと呼ばれるベラ科最大の魚だ。大きくなるにつれて額の部分が前方に突出してきて、この形がナポレオンが帽子をかぶっている姿に似ていることからナポレオンフィッシュと呼ばれるようになった。
宮古島在住の兼島陸史さんは大物釣りを始めて1年ほどの釣り師。14日午前2時から先輩釣り師2人に連れられて下地島の荒磯で釣りを始めた。ダツの切り身を餌に大物仕掛けを投げ込み、ミーバイを狙った。夜は2~3キロのミーバイが釣れ、朝を迎えた。
午前9時に先輩の石鯛竿(ざお)が海中に向かって突き刺さり、リールのペン4/0から糸が勢いよく引き出された。大物の引きを体験させようと兼島さんにファイトしてもらうことにした。竿に飛び付きパワーハンドルに改良したリールを巻こうとしたが、巻けない。50メートルほど走った所でようやく、魚の走りが止まった。
チャンスとばかりにリールをゴリ巻きすると、ジワジワと魚を寄せることができるようになった。数分後、足元に浮いたのは見たことのない大物だ。これが154センチ・59キロのナポレオンフィッシュで、県記録を大きく上回る大物だった。
(おきなわ釣り王国社・仲栄真修)