高校生が目指すは「金の鎌」 伝統の草刈り大会「授業より楽しい」黙々と 男子優勝136キロ 沖縄・八重山農林高


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鎌を手にチガヤを刈り取る八重山農林高の生徒=4月21日、石垣市白保のカラ岳

 【石垣】八重山農林高校は4月21日、伝統の草刈り大会を石垣市白保のカラ岳の南側で実施した。最も多くの草を刈った生徒に送られる「金の鎌」を目指し、全校生徒約300人が汗を流した。今年は全生徒で約7トンものチガヤを刈り取った。刈った草は校内の農場で敷草などとして活用する。

 草刈り大会は生徒間の団結力を高め、作業に対する注意力を養うなどの目的で総合実習の一環として実施している。生徒は作業着と長靴、軍手姿になり、午前10時過ぎから午後1時までの約3時間、懸命に草を刈った。

 額に汗を流しながらてきぱきと動いていた3年生の新城(あらしろ)寛一郎さん(17)は「(教室での)授業より、草を刈っている方が楽しい。将来プロ野球選手になりたいので、草刈りで足も握力も鍛えられる」と語った。

 昨年、2年生女子の部で1位になるも、女子全体では2位だった3年生の米盛汐夏(せな)さん(17)は「今年は優勝を狙っている。農高でしかできず、人生でも3回しか経験できない大会なので楽しい」と話し、一人黙々と草を刈り続けた。

 5月2日に校内で大会結果が発表され、表彰式が開かれた。成績は次の通り。(敬称略)

 【総合男子】(1)美崎太陽(3年136キロ)(2)新里疾風(はやて)(1年128キロ)(3)多宇恭輔(3年105.8キロ)

 【同女子】(1)米盛汐夏(3年43キロ)(2)大濵美海(同38.6キロ)(3)伊志嶺彩紗(さらさ)(2年36キロ)。

(照屋大哲)