厚生労働省は19日、全国約5千の定点医療機関から8~14日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は1万2922人で、1医療機関当たりの平均は2・63人だったと発表した。前週の感染者数を定点把握に換算すると、同1・80人だとする参考値も示した。単純比較はできないとしながらも、約1・4倍になった計算。4月から増加傾向が続いている。
感染症法上の位置付けが8日に「5類」へ移行したのに伴い集計法が「定点把握」に変更されて以降、初めての感染者数の公表。定点把握の集計に関わった国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は「流行は緩やかだが拡大する局面にある」と評価している。
都道府県別で1定点医療機関当たりの報告数が多かったのは沖縄6・07人で、石川4・90人が続いた。少なかったのは高知1・27人、和歌山1・35人など。定点医療機関は、季節性インフルエンザの流行調査と共通の限られた小児科や内科。
8日以降の1週間に、全国の医療機関に新たに入院した患者数は2330人で横ばいだった。
厚労省が示した参考値では、1定点医療機関当たりの感染者数は2月下旬と同じ水準。当時の1日の全国感染者数は6千人~1万9千人程度だった。前週の参考値と単純比較できない理由として厚労省は、5類移行で患者を診る医療機関が増え、患者も受診するかどうかの判断を変えていることなどを挙げた。推計感染者数も、同様の理由で算出していない。
(共同通信)