キングス、ファイナルへあと1勝 控えの松脇、攻守に躍動 CS準決勝第1戦 横浜BCに86ー70


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 プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)は20日、セミファイナル(準決勝)が始まった。2戦先勝方式で、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は沖縄アリーナで横浜ビー・コルセアーズ(中地区2位)と第1戦を戦い、86―70で勝利。ファイナル(決勝)進出へあと1勝となった。前半は今村佳太が3点弾を2本決めるなどスタートダッシュに成功したが、今村と岸本隆一がファウルトラブルとなり、出場時間が制限された。それでもベンチスタートのコー・フリッピンが体を張った守備で簡単に得点させず、松脇圭志の3点弾などもあり、48―43で折り返した。後半はキングスの激しい守備で相手の得点を抑え、岸本のドライブシュートや今村の3点弾が決まり逃げ切った。第2戦は21日午後4時5分から沖縄アリーナで行う。1勝1敗になった場合は23日午後7時5分から第3戦を実施する。

 ▼【写真で振り返る】CS準決勝で1勝 横浜に86-70

▽準決勝第1戦(沖縄アリーナ、8541人)
キングス(西地区1位) 1勝
 86―70(20―11,28―32,15―16,23―11)
横浜BC(中地区2位) 1敗

 【評】高確率の3点弾と横浜BCにターンオーバーを多く誘発させたことが勝利につながった。3点弾は12本決めて成功率46・2%と、横浜BCの20・8%と大きく差をつけた。堅守で10スチールを奪うなど攻撃の芽を摘み取った。横浜BCに18のターンオーバーを誘発させて、20得点に結び付けた。2次攻撃から得点したことも大きかった。


キングス―横浜BC 第2Q、3点シュートを決めるキングスの松脇圭志=20日、沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 第1クオーター(Q)で得点源の今村佳太と岸本隆一がファウルトラブルとなったキングスだったが、ベンチから登場するセカンドユニットが攻守で活躍した。中でも、CS準決勝の経験がない松脇圭志が、チーム最長の30分27秒コートに立ち、5本の3点弾を決める15得点の活躍でチームに貢献した。

 第1Qに今村に代わってコートに立った松脇は、激しい守備から流れをつくった。外国籍選手にも当たり負けしない守備でディフェンスリバウンドを獲得したり、インサイドへ簡単に入らせないようにしたりした。攻撃では、横浜BCがオーバーヘルプしにいった隙を見逃さず、外からシュートを打ち続けた。

 横浜BCの河村勇輝に3点弾を決められるとすぐに松脇も3点弾を入れ返し、相手の流れを断ち切るなど3点弾を要所で決めた。

 ベンチメンバーだけで49得点と、改めて選手層の厚さを見せたキングス。どの選手が出ても守備の強度が落ちず、得点も決められることを、松脇は「信頼関係があるからチームで試合ができた」と振り返る。

 今季移籍してきた松脇は昨季の準優勝を経験していない。それでも、悔しさを味わった仲間の気持ちに触れ「その借りは返す」との思いを持ち続けてきた。「優勝したくてここに来た。きょうと同じようにシュート打ち続けること、決めることが大事」とさらに熱い思いを胸に第2戦のコートに向かう。

(屋嘉部長将)


勝つことが重要

 桶谷大HC(キングス)の話 第1クオーターでガード陣のファウルトラブルがあった中、セカンドユニットの選手たちがゲームを引っ張ってくれた。自分たちのやるべきことをやり続けるというところが、このシリーズでキーになった。(21日も)僕らは勝つことが重要だと思っている。
 

TO18では難しい

 青木勇人HC(横浜BC)の話 セカンドチャンスポイントをどれだけ減らせるかと、ターンオーバー(TO)から点を取られないということが重要だと言っていた。ただ、TO18という数字では勝つのが難しい試合になってしまった。しっかり準備をして(21日は)必ず勝って第3戦へ持ち込みたい。