教員不足の状況を共有し、多角的な視点で解決策を考えるシンポジウム「教員不足 打開への一歩」(琉球新報社主催)が21日、那覇市の琉球新報ホールで開かれた。慶應義塾大学教職課程センターの佐久間亜紀教授が基調講演し、行財政改革のあった2001年以降、教員も削減されていったことなど、教員不足の背景を説明した。パネル討論では行政やPTAの関係者らが意見を交わし、教員不足の解決策を探った。
佐久間教授は正規職員が圧倒的に足りないとした上で、国に対して実態の把握や教員定数改善計画の再開を求めた。自治体に対しては教員の病休者を減らすほか、育休復帰の支援などを提言した。
パネル討論で恩納小学校PTAの宮﨑豊会長は、村内すべての小学校長と意見交換したことに触れて「先生の負担軽減のため、地域が担えることは分担することが必要だ」と話した。県教育庁働き方改革推進課の上江洲寿課長は「取り組むべきことはたくさんあるが、やれそうなものから始めて、関係団体が私事としてやることが重要だ」と述べた。
中城村の浜田京介村長は、村独自の少人数学級の実現で教員の負担軽減につながった経緯を説明し「やる気になればできる問題。子どもの利益を考えると答えはおのずと出てくる」と訴えた。
県教職員組合の木本邦広中央執行委員長は「取り組みを今日だけで終わらせず、社会で子どもたちを育てる県民の会の提案をしていく」と強調した。
(高橋夏帆)
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